先月、ベトナムのホーチミンに商品の検品と業界団体のメーカー視察会の仕事で出張してきました。
検品した商品は生産したてのオリジナルのダイニングセットです。
この商品は1年半前の販売開始直後に脚部の取り付けができないとの苦情がありすぐに出荷をストップさせて四日市の倉庫に行き全数を検品し、問題点(天板裏の脚固定部と脚の取付部形状に問題があった)の確認を行ったことがある商品で、メーカーには固定部の修正方法と交換に必要な脚400本の生産を指示して、3週間後に倉庫に再入荷した時は倉庫に出向き脚の入替作業や天板裏の補修作業を4日間行いました。
そのあとも着実に改善を図ったことで今はロット不良の問題は出ていませんが、海外のメーカーでは工員が大幅に辞めたりするので前回は良かったのに今回は悪いということがあります。
日本からわざわざ行かなくても現地の検品担当者が毎回検品はしてくれているのですが、企画担当者が検品しに行くと伝えておくと工場も緊張感を持って仕事をするようです。
椅子の接合部の強度確認や天板裏の仕上がり確認、全体的な塗装などのチェックをしましたが納得でした。
品質向上においては技術革新に前向きな社長と熱心な指導の工場長の2人の力が大きいと思います。
(工場長はサッカーの長友選手にそっくりで初めてあったときは笑っちゃいました。 ↑写真)
さて、メーカー視察会の方はとうと・・・
実はベトナムには台湾人が経営する家具メーカーが200社程もあるのですが、その内日本に輸出しているのは1割程度しかないためもっと日本に輸出できるメーカーを発掘しようというのが目的でした。
日本への輸出に興味を持っているメーカーへの合同説明会や工場視察、ベトナムの家具業界の代表の方々との懇親会や会議などがありました。
日本からは小売系では関西に30店舗ほどある家具屋さんの専務、関東に15店舗ほどある家具屋さんの常務、大手カタログ通販のマネージャーや大手ソファメーカーの社長もいらっしゃいました。
異色なところでは、マンション・ホテルの企画設計施工事業の商社の方がいました。
実はこの人、東京オリンピック、パラリンピックの選手村プロジェクトの施設設計に関わっているようでメーカーの方々40-50人と視察団が向き合った説明会での席においてその商社マンがおもむろに
「皆さん、想像してください!オリンピックの選手村には2百数十カ国から1万人の選手が集まります。
そして、選手村の宿舎のひとつひとつの部屋にはベッドやデスクが必要なんです!
私はニーズに応えられるものをここで探したいんです」と呼びかけました。
すると対面のメーカー席から「オーーー」と歓声があがったんです。
想像したんですね、自分のところの製品が選手村のホテルに大量に納品されるシーンを・・・。
それまで、視察団の説明に半信半疑な態度で聞いていたのに一気に場の雰囲気が変りました。
私は演説とはかくなるものかと感心しました。聴衆の心をひきつけるとはこういうことかと。
それにしても驚いたのは私も同じで彼とは前日一緒にカラオケに行って最後はRCサクセションの「雨上がりの夜空に」を仲良く熱唱しあい、
しかも、さびの部分では一緒にジャンプしてお尻をぶつけあって盛り上がったのにそんな話聞いてないぞ。
確かに彼を良く見るとジャケットの襟ににオリンピックのラペルピンが付いている!
(そんな使命をもってここにきてたんか、あなたは。)
翌日、たまたま当社が取引のあるベッドメーカーの工場を視察したのだけど、メーカーの整理整頓された工場や生産性の向上に対する姿勢に商社マンが感心している様子が手に取るようにわかったので
「ここはウチのベトナムでのベッドの主力メーカーだから。」と遠まわしに、もしもこのメーカーのベッドを選手村にと考えているのならウチを通して話をするといいよ・・・
的なニュアンスを伝えたつもりだけど伝わったかなぁ。
ウチも東京オリンピック、パラリンピックの選手村の施設に貢献したいな~。
ベトナムもいいけど中国のベッドメーカーも頑張ってるんだよなぁ。
選手村の部屋はかなり狭いと聞くので省スペース型がいいだろうな。
そうそうスポーツマンが使うのだから頑丈なのがいいね。
・・となると私の一押しベッドはすのこベッド『Banon』。
素朴でシンプルなデザインなんだけど,静止耐荷重検査で7000ニュートン(700kg強)にもビクともしなかい頑丈さが最大の魅力です。
しかも、床面の高さ4段階に調節ができるので身長の高い人も低い人に使いやすい。
組立も簡単だけど分解も楽々できるからその点もいいよね。
だんだんその気になってきたぞ。
よし、商社マンにすのこベッド「バノン」をおすすめしに行って来ます。